セガワブログ

小説家、瀬川深のブログ。

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 以前ちょろっとご紹介してはいたのですが、ぶじ本も出版されたことですし、ミサキラヂオの舞台となるミサキの地図とミナトの地図を公開いたします。


ミサキ全図



 本に書くの忘れてたんですけど、原図はセガワが手ずから心を込めて作製いたしました。というかもう、これは楽しくて楽しくて仕方のない作業でした。大まかにラフを描いていったんトレースしてシャーペンで細かいところを描いたのちにもっぺんトレースして水性ボールペンでインクを入れてレタリングしてパソコンに取り込んでトーンを貼って……等という作業にウキウキしながら没入しておりますと、なんというかその、自分の妙に病的な凝り性な部分に気付いてしまうのですが。
 なお、これを手書きでいこうというのは、以前購読していた旅行人という雑誌に毎号掲載されていた、富永省三さんのもんのすごい詳細な手書き地図に影響されております。もちろんあのプロの仕事には及ぶべくもないのですが……。でも地図っていいですよね。


ミナト拡大図


 これはセガワがミサキラヂオを書きながら勝手に妄想していたことで、作品の内容とはまるで関係ないのですが、こういう折りなのでちょいと妄想を垂れ流してみます。実は、可能ならばこの小説を一つの交響曲のように仕上げてみたいなという大それた欲望が執筆の途中から湧き上がってきました。
 だって、ほら、人として生まれたら誰しも一生に一度は交響曲を書きたいと思うじゃないですか(なんか突っ込みどころ満載ですが話が進まないのでとりあえず流してください)。それもできればベートーヴェンとかブルックナーとかマーラーとかショスタコーヴィチみたいなやつ。あ、グノーみたいな軽妙なのでもボロディンみたいな野蛮なのでもホヴァネスみたいなハッタリ効かせた奴でもイイナ。
 まあでも、実際には、これはほとんど不可能な望みなわけです。そんな技術も才能も持ち合わせてませんし、実際書いても上演される可能性なんかまずないですし。オトコノコが誰しも抱く夢、野球選手とか探検家とかサッカー選手とか、そういうものになるよりもはるかに、交響曲を書きたいという夢は実現が難しいんじゃないかなとセガワは思います。
 その夢の残り香が、微かにこの小説に投影できればいいなと思いました。

  Ⅰ楽章:短い序奏を伴ったソナタ形式、Allegretto cantabile.
  Ⅱ楽章:叙情楽章、自由な変奏を含むパッサカリア、Andante comodo - Allegretto.
  Ⅲ楽章:静かな二拍子のスケルツォ、トリオ形式、Allegro tranquillo-Moderato - Presto.
  Ⅳ楽章:長大なフーガ形式のコーダを伴う変奏曲、Allgro con brio.

 こんな感じでしょうか。ともあれこの『ミサキラヂオ』、セガワの中ではささやかな交響曲第一番ということになっております。
 さて次はどんな交響曲……じゃなかった小説を書こうかな。
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 というわけで本日から拙作『ミサキラヂオ』が発売になりました!!!
……と書こうとして昨日お茶の水の丸善に行ったらなぜかもうミサキラヂオが積んであって、軽くこけそうになったセガワです。
 みなさまお元気でしょうか。発売日は18日だったのかなあ。


 しかし、これはまあ別に狙ったわけではないのですが、セガワのデビュウ作である『チューバはうたう mit Tuba』の刊行からきっかり一年後なんですよね。自分でも意外でした。こちらのエントリーの記述を見て初めて思い出したぐらいで。
 このことに限らず、この小説はこういう不思議な偶然の一致が多かったように思います。作品の中身には立ち入らないことにしますが、一つだけ申し上げると、この作品は春・夏・秋・冬の四章に分かれています。起稿したのがだいたい昨年の4月、脱稿したのが12月ですから、執筆時期と作中の季節がほとんど一致していたんですよね。これは、非常に作品を書く上で助けになったように思います。逆に言えば、いかに季節の変化に対して自分が忘れっぽいかと言うことを再認識したということでもあるんですが。そして、作中最後の日付は3月18日になるんですが、これは本作の発刊の前日ということになります。これもまた、書いた側としては驚くべき一致でした。
 なにより、作品の始まりにして終わりである初春の季節に、実際に作品をお届けできるのは非常に幸福な偶然であると思いましたよ。
 あとはみなさまのご高評を待つばかりです。どうぞよろしくお願いいたします。一応アマゾンのリンクも貼ってきますね。(しかしこのコレクター商品3770円というのはいったい何なんだろう…)


ミサキラヂオ (想像力の文学)ミサキラヂオ (想像力の文学)
(2009/03)
瀬川 深

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※追記。どうも配本が18日で発売が19日と言うことだったようです。早めに書棚に並べた書店さんだと18日に買えたようですね。編集さんがわざわざ連絡下さいました、ありがとうございました。
 集英社のWEB文芸サイト、「レンザブロー」に短篇小説を書かせて頂きました。要するに、web上に公開された文芸誌という体裁のサイトですね。
「エレクトリチカ」というタイトルです。アドレスはこちら。無料で読めますので、どうぞご覧下さいませ。
 このレンザブロー、ページのめくりかたにいろいろ趣向が凝らされてまして、普通にスクロールするスタイルもあれば、本作のように2ページ見開きでめくってゆくスタイルもあります。縦書きも横書きもあります。失礼ながら、想像していたよりもずっと見やすくて、web上で文章を読むことへの偏見がかなり是正された感じです。こういう版組の自在さは、webならではでしょうね。考えてみれば、必ずカラーで挿画が付けられるというのも贅沢な話です。
 その挿画は小池アミイゴさんにお願いしました。自分で言うのもなんですが、これ、タイトルページが素晴らしいんですよ。この一面のヒマワリ畑の絵を見たときに、ガツンとやられました。あーウンウン、こんな感じ、と、書いた本人ですら見たことのないヒマワリ畑が頭の中に浮かんだような気分でしたね。冒頭に描いてくださった、エレクトリチカも重厚でイイ感じです。小池さん、ありがとうございました。



 旧ソ連マニア(ってどんだけ日本国内にいるんだろう)の方ならばお分かりかと思いますが、エレクトリチカというのは旧ソ連域内を走っている都市近郊列車のことです。セガワはラトビアとかアゼルバイジャンとかで乗ったことがあるのですが、日本のアルミボディの電車が吹けば飛ぶように見えてしまう無駄に重厚な作りが実に旧ソ連ライクで素敵です。
 そのエレクトリチカを話のマクラに、旧ソ連とかウクライナとか横浜関内伊勢佐木町とかヒマワリ畑とか謎の少女とか川ウナギの缶詰とか日本製のコンドームとか、まあそんなものが詰め込まれたお話です。旅行好きの方ならばとりわけお楽しみいただけるのではないでしょうか。
 中に二箇所ほど、「いや、これは絶対にないだろう」という部分が旧ソ連マニアの方ならば指摘できるかと思いますが、そのへんはご容赦を。


 実は、以前こちらのエントリーで携帯小説に絡めて短篇小説の可能性に言及したことがあるのですが、今回はこれに近い形で発表ができてとても嬉しかったですよ。今回の小説がおよそ原稿用紙で35枚ですから、ちょっと紙の媒体に載せるには尺が短い印象があるんですが、webでさくさく読んでゆくには丁度いい長さじゃないかなと思います。
 それに、これはちょっと内輪の話になりますが、50枚未満の小説っていうのは話の作り方がちょっと変わってくるんですよ。セガワの印象だと、50枚を超えるか、150枚を超えるかで話の作り方、つまりは材料とか筋立てとか語り口とかがまるで変わってくる感があります。50枚未満の小説ですと常に全体を一視野に収めながらバランスを取っていく感じですね。材料は一つか二つ、ダシは一種類、片手鍋一つで作れるお料理という印象で、個人的にはとても好きなスタイルです。もっともこういうお料理はあんまり器用に作りすぎない方がいいようにも思うので、その点はいましめておきたいところですが。


 ともあれ、こちらでご紹介した作品をすぐに読んでいただける点、なによりもwebの強みではないかと思います。ご一読下されば幸いです。

本日、「ミサキラヂオ」の校正が終了しました。
はー……。
長かったですね。去年の4月から書き始めて12月に脱稿、
いろいろ改稿を経て、本日ようやく書き手の手を離れました。
ホッとしたというか、気が抜けたというか。
原稿用紙換算で616枚、セガワのこれまで書いた中では
いちばん長い小説と言うことになります。
あとは読者のみなさまが手にとって下さることを祈るばかりです。
どうぞよろしくお願いいたします。


また画像を一枚載せておきますね。
前回の記事に書いた、ミサキの地図の拡大図です。
これは下書きですが、ミサキの地図ともども清書したものが本に収載される予定です。
地図がお好きな方にはたまらない趣向ではなかろうかと。
と言うか自分で描いててえらい楽しかったですよこれは。
作品とはまったく関係ない地名まで盛り込んであるお得な内容です。
脱稿したあとに描いたんで、文章との矛盾が生じないかどうかがハラハラするところでしたが。


ミサキラヂオ地図_ミナト



まあそのほかにも、
NHKホールで見てきた地域伝統芸能祭りがすばらしかったとか、新宿末広町に初めて寄席を見に行ってきたらえらく面白かったとか、根本敬さん久々の新刊「真理先生」が素ン晴らしくて分けても『小説』はすべての作家志望者は読んで驚愕するべきであると思ったとか、「漂流教室」全三巻を一期買いしてしまって連載期間がたった4年足らずであることに気付いて作品密度の濃さに驚嘆したとか、ユネスコの消滅危機にある言語リストにアイヌ語や与那国語が含まれていていたたまれない気分になったとか、日経ブラジル三世の兄弟が大衆演劇で活動していることを知ってこれはなんとしてでも響彬斗・一真兄弟のステージを見てみたいと思ったとか、池袋・新文芸座でアンゲロプロスオールナイトというとんでもない企画をやることを知ってこ、これはどえらいこっちゃやでェ……と疋矢繁(花岡組の)みたいな表情でつぶやいてみたとか、早稲田松竹で「全身小説家」の上映があるらしいんだけど仕事の都合でどうも観に行けそうにないのでしょんぼりしたとか、筑波に梅を見に行ったらたいそうステキに咲いていてやっぱり花は桜よりも梅だなぁと思ったとか、「ピケテロス」という言葉は面白いキーワードになりそうだから覚えておこうと思ったとか、まあいろいろ書きたいことはあるんですが。
まずは頭の上の蠅を追うことからですね。
具体的には確定申告とか確定申告とか確定申告とか。
ああもう!

segawashin

Author:segawashin
2007年、「mit Tuba」で
第23回太宰治賞受賞。
ホームページはこちら。
www.segawashin.com
ツイッターはこちら。
http://twitter.com/#!/segawashin

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