セガワブログ

小説家、瀬川深のブログ。

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 こないだの連休、弘前に行ってきました。なにか用事があったわけでもないんですが、個人的に弘前ってとても好きな街なんですよ。7年ほど前に愚弟が弘前大学を受験する際に付き添っていったんですが、このとき、弘前ってのはずいぶん味わい深い街だと思ったんですね。以来、厳冬期の津軽訪問が習慣みたいになっております。でまあ、主に酒を飲んだり酒を飲んだり酒を飲んだり、あとはまあ酒を飲んだりして参りました。


 あっちこっち旅行していると、弘前に限らず妙に心惹かれる町というのがあるんですが、だいたい共通した特徴があるようです。例をあげてみると、弘前、盛岡、秋田、酒田、長野、高岡、金沢、米子、熊本といったあたりでしょうか。
 まず例外なく古い歴史のある町です。こういう町ですと、中心はちょっと入り組んでいて、こじんまりとまとまった繁華街になっていることが多いです。大都市圏から遠いという点も似ていますね。ベッドタウン化することなく、まあそれなりに町がその地方の中核にいられるわけです。で、こういう条件がそろった街は、たいてい面白いものが多いでのす。
 大体、ちょっと変わった食い物がありますね。市場や魚屋なんかをのぞいてもいいですが、居酒屋に謎のメニューがあったりもします。喫茶店が充実しています。街なかを歩いている人が多いことの証拠でしょうね。古本屋も、やけに品ぞろえがよかったりします。これは地域住民の知的好奇心を反映してるんじゃないかと個人的には思ってるんですが。
 こういう街だと、散歩していて実に楽しいですね。名所旧跡なんぞなくとも、繁華街を散歩したり古い建物の写真を撮ったり、ちょいと疲れてきたら喫茶店に入ってビバークしたり。もちろんガツンとお酒が飲めたりもするわけであります。


 さて、そんなわけで、今年も弘前に行って参りました。旅の道連れは、こういうアタマのおかしい少々個性の強い旅行の素ン晴らしさを共有できる畏友エヌムラ君。はやて、白鳥、各駅停車と乗り継いで東京からおよそ5時間。近くなったもんです。
 自分はギリギリ東北新幹線が開通していないころのおぼろげな記憶があるんですが、この当時など東京→盛岡で7時間ぐらいかかったような。東北というのはとにかくうんざりするぐらい遠いところだったですよ。
 まあそんな昭和の御代も遥けき平成二十年、実に快適に弘前に着きました。


ウワァ弘前鬼寒い


 ……なんか思いきり当たり前の感想のようですが、こッこれが北東北の寒さだッ!!!というのを久しぶりに実感した気分です。こないだ行った山形や仙台など、東北の寒気の中ではまだまだ小物!としみじみ感じました。
 東北がガチで寒い時は、無風状態で日が差していても寒いのです。それでもまあ温暖化の影響なのか、昔に比べてずいぶん楽になったみたいだけど。


 さて。
 弘前といえば、まずは古本屋巡りです。先にも書いたとおり、弘前の古本屋は品揃えが充実していて漁っていて楽しいことこの上ない。
 中でも自分とエヌムラ君のお気に入りは小山古書店。品揃えもさることながら、数年前までご存命だったご主人が実に素敵な好々爺で、ちょっとお話をしたところ、最近の人が本を読まなくなったことについて「地図も持たずにどこへ向かおうと言うんですかねえ」ということを津軽弁でおっしゃった、その一言が未だに心に残っています。
 そんなわけでほんのちょっと買い物してみましたよ。

huruhon

※このあとずっとこれ抱えて歩くことになりましたが無害です。


 この後、ビジネスホテルに投宿した後に繁華街へ。
 実は弘前は親不孝通りもものすごく充実していて、たぶん本州最北の桃色なストリートが鋭意営業中であったりもします。まあそのへんはさっぱり詳しくないので省略して、これまた必ず訪れることにしている『杏』という居酒屋へ。二年ぐらい前にJR東日本のポスターにもなったことがあるので、知らず目にしているかたも多いかも。ここがまた素敵なお店で、土地の名物や地酒の品揃えがすごい。グルメを気取るつもりは毛頭ありませんが、日本酒を飲んで心底驚嘆したのは、このお店が初めてです。
 また、津軽三味線のライブが毎晩行われてて、若手のイキのいい三味線弾きが実に闊達な三味線を楽しませてくれます。津軽三味線は日本の伝統芸能としては珍しく、若手がずいぶん育っているようで、このへん沖縄の伝統音楽とちょっと状況が似ているのかも知れません。
 今回やってくれた人は素晴らしかったですよ。
 特に岩崎しずかさん、弱冠22歳ながら素晴らしい腕前。詳しく分かるわけではないけれど、バチを操る右手のしなやかさ、豪快な音だけではなく静かで微かな音をきっちり響かせるあたりの技巧に、相当な修練が宿っているものとお身受けしました。
 この先が楽しみです。

anzu

写真右手が岩崎さん。


 結局このあと三軒ハシゴして飲み倒し、フラフラになって爆睡。こちらの居酒屋もどうということはない居酒屋に見えて、土地の肴が充実している素敵なお店でありました。


 翌日は大鰐温泉に行ってみました。弘前から30分ていどで辿り着けるうえ、駅から徒歩圏内に温泉街が広がっている、ありがたい温泉です。
 鰐つって日本に鰐なんかいないじゃん、あー古語では鮫のことなんだよね知ってるよアハハンと思って駅前に降り立つと、町のシンボルのピンクの鰐(無論アリゲーターの方)がお出迎えしてくれて腰が抜けそうになります。
 千年以上の歴史がある名湯なのに、この緩さは貴重です。
 結構な量の雪道を歩き、共同浴場でどっぷり暖まって参りました。


oowani

後ろ姿はエヌムラ君。


 帰る前に、ほかに時間の潰しようもなかったのでせっかくの弘前旅行なので『弘前城雪燈籠まつり』というのを見てきました。弘前城址が会場です。
 雪像を作らせたら世界一!の陸上自衛隊謹製の雪像以外はわりと緩い出来映えの雪像が並び、このちょっとワキの甘いのどかさに嬉しくなります。意外や会場はかなりの人手で、やっぱり観光化されすぎてないお祭りはいいもんだなあと思いました。

mikki

「やあ僕ミ○キー!(甲高く親しげな声で)」


 そんな感じで午後になってから特急に乗車。
 途中下車などをしつつ東京に帰ってきましたよ。
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2007年、「mit Tuba」で
第23回太宰治賞受賞。
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