セガワブログ

小説家、瀬川深のブログ。

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CICALA-MVTA(シカラムータ)というバンドのライブに行って来ました。
どういうバンドかというと……
…………あぁー!説明に困る!!!


 まあともかく。
 ここ数年来の大ファンだったんですが、瀬川がこの人たちからの音楽から得た影響には図り知れないモノがあります。なにより、「音楽をジャンルにこだわらず聞く」耳は相当育ててもらったように思います。
 どういうきっかけで知ったのかよく覚えていないんだけど、たしか10年近く前、友人からコンポステラってバンドのCDを貸してもらって、そこでチューバ吹いてる人が参加してるバンドだってことでシカラムータを知って、ついでにソウルフラワーモノノケサミットとか言った味の濃いチンドン・バンドのことも知ったりして、スピッツとかミスチルとかが大流行だった当時の世間並びに同世代と激しく乖離した音楽経験を積むわけであります。
 ……良かったのだろうか(笑)。
 まあ良かったんでしょうね。
 結局このへんのちょいとコースアウトな音楽経験が、mit Tubaに結実するわけですから。


 このへんは創作の根幹にも関わることなんであんまり具体的に書きたくはないんだけど、mit Tubaに出てくる我樂多樂團のモデルの一部はシカラムータであったりします。まあいろいろ混ぜてるんですが。
 で、作中に出てくる「黒帽子の男」、この方の外見はシカラムータのリーダーである大熊ワタルさんの写真から思いついたんです。『凸凹』ってアルバムに載ってた写真が印象深くて。国会議事堂の前で黒帽子かぶって、クラリネット構えてるっていうw。
 まあもちろんご本人のことは存じ上げないんで、キャラの中身はまるで創作なんですが、やけに自信家だったり女にだらしなかったりとご本人に知られたら気まずいなーみたいな書き方をしてしまってどうしようかと思っていたら

 ご 本 人 に 伝 わ っ て い た よ う で

うひゃあ申し訳ありません!という気分を抱えて池袋に行って参りました。


 ライブの前半にやったKILLING FLOORというバンド、まったく予備知識なしだったんですが、これがかなりの大当たりでした。ジャズ・ファンクといえばいいのかしら。あんまりそのへんのジャンル分けには詳しくないんですが。
 ドラム三人(!)が叩き出すゴリゴリのビートと、ちょいといなたいフレーズをぐんぐん変容させていくホーンセクション。これは気持ちよかったですよ。胸郭と腹膜にばんばん響いてきます。
 凄い爽快感溢れるプレイでした。これはCD買おう。


 で、後半のシカラムータであります。
 いえ、実はライブは二年ぶりぐらいだったんですが、実に気持ちいい、相変わらずの変拍子ッぷりでした。7拍子とか11拍子とかそういうリズムで軽々とプレイしちゃうんですわ。あのタテノリとかいう機械的な陶酔とはまるで違った、ぐねぐねうねるグルーヴです。日本人の原風景には絶対ないリズムなのに、なんでこんなに楽しいんだろう。横隔膜や脊髄に直に響いてくる音圧も、ライブならではの迫力だったし。
 「STARA PLANINA」「ある道化師の週末」といった自分の大好きな曲も聴けて、締めはやっぱり「アルバート・アイラー・メドレー」。
 ああもう。解毒されるなあ。
 実に幸福なライブでした。
 ちなみにちょっと凄いなと思ったのはアンコールでやった「四丁目」という曲。最後の最後に、思いきりの全力疾走を見せられた気分でした。プロって凄いなあ。


 で、このあと、大熊ワタルさんにダザイ賞の本をお渡ししてきました。ウワァ緊張した。
 しかも、ミュージックマガジンという雑誌に拙作の書評を書いてくださったと言うことで思いきり恐縮しました。えーと、小説の登場人物のモデルになった人がその小説の書評を書く、と。
 なんでしょうこのメタフィクショナルな偶然はw。読むのが怖いです。
 いろいろお話を聞かせていただいたのですが、ちょっとびっくりしたのは、mit Tubaの作中に書いたバッハのチンドン風アレンジ、あれ、実際にやったことがあるんだそうです。
 へええええ。完全に自分の妄想の産物だったんですが、そういうこともあるんだなあ。ちょっとうれしい。
 そんなこんなでサインもいただき、興奮さめやらぬままちょっと焼鳥屋に入って一杯引っかけて、楽しい気分抱えて家に帰ってきました。


 いや、柄にもなく幸福だと思いました、今日は。
 ぶっちゃけ大熊ワタル・シカラムータへの献辞は太宰賞の受賞の言葉に書いちゃってたんですが、これは、mit Tubaが世に出ることになったら絶対入れようと思っていたんですね。
 それが実現して、そのご本人たちに会うって言うのは、相当な幸運だと思います。ビートルズネタに小説書いてビートルズに対面するとか、三橋三智也ネタに小説書いて三橋三智也に対面するとか、まあいろいろ例は挙げられると思うんですが。


 俺ももうちょっとがんばらなきゃと思います。
 そうすることで、まれに、このような幸運が舞い降りるようですから。
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Author:segawashin
2007年、「mit Tuba」で
第23回太宰治賞受賞。
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