セガワブログ

小説家、瀬川深のブログ。

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友人から電話あり。
「あっどうだったこないだのシカムラータのライブ」
シカラムータです。


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ネットニュースで見付けた、ものすごくステキな動画をご紹介。
1歳から100歳までの100人が順番に太鼓を叩いて行くムービーです。
動画への直接リンクはこちら。
内容はそのまんま。イギリスのフィルムのようですが、1歳から100歳までのいろんな人々が
順繰りに太鼓を叩いてゆくだけです。
「だからなんなの?」とお思いかも知れませんが、なかなかどうして。
見入ってしまいますよ、これは。
「人間は年を取るのだ」というごく当たり前のこと、そして、
「人間は死ぬまで年をとり続けるのだ」ということを、まざまざと実感できます。
1歳から25歳ぐらいまでの、めまぐるしい成長のありさまもほほえましいですが
(おちびさんが子供になって反抗期迎えてちょいと落ち着いて、なんて雰囲気が一瞬のうちに読みとれます)、
それ以降、20代から40代までのじっくりと煮えてゆくような成長の雰囲気もなかなか興味深い。
意外だったのが50歳以降、このフィルムでは後半です。
単純に「老人」と括りたくなってしまうこの時期でも、なお、人間は鮮やかに変化し続けるみたいです。
出てくる人々の人種や社会的立場もさまざまなようで、そこにも想像がめぐりますね。
「太鼓を叩く」というシンプルな動作で統一しているところも、このフィルムのうまいところです。
生真面目に叩く人あり、投げやりに叩く人あり、なにか一発カマしてやる気満々な人あり、
その動作にもまた各人の個性が投影されてますね。
個人的には、1,15,20,26,39,40,44,59,72,78,83,86,96,99,100歳の人が
特に印象に残りました。
改めて見直すと、お年寄りの方が面白いなあ……。


自分は、小説中にわりと幅広い年齢層の人間を出したくなるのですが、
こういうフィルムを観るといっそうその嗜好が強まりますね。
拙著「チューバはうたう」に収録した「百万の星の孤独」はそれを少々意識的にやってみた作品で、
10歳から88歳までの人物を登場させています。
どうも、同じ年齢でひとかたまりになっている集団というものに
あまりドラマを感じないからなのかも知れません。
特に、世代論めいた区分は本当に苦手で、そういうものに寄り添って人物を作り上げることだけは
慎みたいと思っています。
必ずしもうまくいくとは、限らないことですが。


余談ながら、太鼓を叩くと言えばどうしてもギュンター・グラス「ブリキの太鼓」を想像してしまうのですが、
あちらのオスカル・マツェラートが3歳で成長を止めた奇怪な人物像であることを考えると
このフィルムはいっそう面白く感じられますね。
制作者も、意識していたんでしょうか。


あんまりニュースサイトや動画サイトって観ないんですが、
せっかくこれだけ便利なツールが出そろっているのですから
こういうイカした作品がもっと出てくるといいなと思います。
本作は、単純なように見えて相当な手間がかかっているものとお見受けしますが……。


-------- ☆ --------


ちょっと思い出したので、微妙に関連する写真集をご紹介。
100歳を超えた人たちの写真を集めた写真集です。これもステキですよ。

笑顔のクスリ―百歳王笑顔のクスリ―百歳王
(2004/03)
黒川 由紀子、小野 庄一 他

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「ブリキの太鼓」はこちら。
なんとなく途中で挫折した人が多そうな小説ですが(笑)、
グラスの独特な文体になれてくると、2巻に入ったあたりからモリモリ読めますよ。

ブリキの太鼓 第1部 (1) (集英社文庫 ク 2-2)ブリキの太鼓 第1部 (1) (集英社文庫 ク 2-2)
(1978/09)
ギュンター・グラス

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Author:segawashin
2007年、「mit Tuba」で
第23回太宰治賞受賞。
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