セガワブログ

小説家、瀬川深のブログ。

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ちょっと告知が遅れてしまったんですが、
筑摩書房のPR誌「ちくま」に、拙著「チューバはうたう」の紹介文が掲載されました。
お願いしたのは、ご存知シカラムータの大熊ワタルさんです。
なんかもう、いろいろと、ほんとうに、ありがとうございます。


この「ちくま」という冊子、ご存じない方も多いかも知れませんが(筑摩書房のみなさまごめんなさい)、
実は結構面白いんですよ。
セガワも毎号送っていただくようになって改めてその面白さを認識したので他人のことは言えないんですが、
豪華かつ面白い人選の執筆陣で、記事に読み応えのあることこの上ないです。
まあもちろんPR誌なんでメインは筑摩書房の新刊を紹介する記事なんでしょうが、
これがまた面白い。
牧野富太郎の本をいとうせいこうさんが、華恵さんのエッセイを谷川俊太郎さんが紹介するなんて、
なかなか思いつかない組み合わせじゃないですかね。
表紙が奈良美智さんというのもひっそりとすごい。
鈴木理生さんが戦前の、菅野昭正さんや沖浦和光さんが戦後の日本を回想する文章も素晴らしいですし
(失礼ながら、おじいちゃんの繰り言になっていない回想記というのは本当に面白いものなのだと再認識しました)、
四方田犬彦さんの大島渚論とか竹熊健太郎さんのオタク論とか伊藤剛さんの漫画論とか、
連載の顔ぶれも微妙に尖っていて面白いです。
PR誌ということでなのか、あんまり大々的に売っている印象もないんですが、なんか勿体ないですね。
今どき一般記事を装った提灯記事満載の雑誌なんか世間にいくらだってあるのに。


まあそれはそれとして。
大熊さんの紹介文、本当にありがたい内容でしたよ。
もともと大熊さんは異常に文章が達者なんですが、特に音楽小説や映画に言及した部分は相当に鋭いです。

成功の上昇曲線は、見るものを高揚させるが、ひとつ間違えると、支配的な文化の論理に回収されてしまう危険性をはらんでいるように思う。
 吹奏楽は、軍楽をルーツとして、集団演奏を主眼に発達してきた。集団には、個々の限られた力を、足し算以上のものにする可能性がある半面、とかく排他的になったり、同質化圧力が先走ったりしがちだ。吹奏楽は、かつてフーコーが指摘したような、規律社会としての近代社会の縮図と見ることもできる。


こういう指摘は拙作についてなかなか受けなかったものなので、本当に嬉しかったです。
だいたい自分は、集団競技というものがいまいち苦手なんですが、
それはどうしてもそこから外れてしまう人の方に興味が向いてしまうからなんですよね。
自分も明らかにそこから外れてしまう側の人間でしたし。
テレビなんかで散見する集団競技の感動モノ、マー例えばクラス丸ごとで仮装大賞とか30人31脚とか
あれ、絶対あそこからあぶれてる子が居るはずですよ。
そういう子がクラス内から向けられる視線を考えるに、胸が痛みます。
自分の興味はどうしてもそちらに向いてしまうんですよねー。


まあ別に感動しちゃいかんというわけじゃないんですが、
「僕にはその感動を保留する猶予が欲しい」というのが偽らざる気持ちです。
感動っていうのは、もう少し内面に存するものではないのかなあ。
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コメント

「チューバはうたう」

初めてコメントさせて頂きます。
筑摩書房PR誌「ちくま」は表紙の絵共々大好きです。
此処で紹介された本を読むことも多いです。
で、「チューバはうたう」を読みました。
なんか、今までの小説にはない新鮮な静かな、でも大きい感動がジワジワと押し寄せる感じに包まれました。
山歩き、読書、映画、日常のことをブログで書いているおばさんですが、今後も瀬川さんの著書を楽しみにしております。
「チューバはうたう」もブログで書かせて、紹介させて頂きました。5月5日記事です。

>noritanさま
コメントありがとうございます。
お褒め下さり恐縮です、そのうえブログでのご紹介ときては
ありがたいことこの上ありません。
なにぶん駆け出しの物書きですが、今後とも温かく見守ってくださいませ。
自作についてはまだ詳しく言えないのですが、
短篇と長篇をそれぞれ近々お目にかけられるかと思っています。

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Author:segawashin
2007年、「mit Tuba」で
第23回太宰治賞受賞。
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