セガワブログ

小説家、瀬川深のブログ。

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ヤンヤンヤヤー 八木山のー
ベニーランドででっかい夢が
はずーむよー はねーるよー こーろがーるーよー







 小説の取材をかねて、八木山ベニーランドに行ってまいりました。
 仙台にある遊園地であります。おそらく仙台を中心とする東北人には(このたいそう素敵なCMソングの影響もあって)絶大な知名度を誇りつつも、他地域の人々の知名度はかなり低いものと思われるところです。
 まあこういう遊園地って全国各地にあるんでしょうが。岩山パークランドとか姫路手柄山遊園地とか。
 とはいえ最近こういう遊園地はいろいろとご苦労なさっているようで、浦安の例のアソコの一人勝ちなどともよく言われているようです。 じっさい案内してくれた仙台の友人も、「ベニーランドって仙台人自身がかなり微妙なところって思ってるからー」と少々不安になるようなことを口にします。実はセガワ自身は浦安の例のアソコを除けば遊園地の訪問はほとんど四半世紀ぶりと言ってよく、すっかり記憶のかなたになっていた昭和の時代のことを思い出しつつの訪問でした。
 不運にも当日は雨交じりの空模様で、これはかなり空いているかもねえなどと予想してはいたのですが。



 …………予想的中であります。
 ものすごい空きッぷり。
 なんだか気の毒になるぐらいにお客さんが入っておらず、ほとんど貸し切り状態でした。あの遊園地特有のバカハッピーでアッパーな雰囲気のまるで伝わってこない状況に、少々気圧されます。ウワァ楽しいねーキャッキャウフフといったようなセリフが出て来ようもありません。
 ど、どうしようかなあと戸惑いつつ、とりあえずあんまり怖くなさそうなジェットコースターに行ってみます。コースターは三つあるのですが、二つはなんか非人道的なひねりだの回転だのが加わっているので即座に却下です。絶叫系マシンは大の苦手なので。
 少々聞こえてくるギシギシ音に必要以上のスリルを感じつつ、四半世紀ぶりのコースター体験です。


「んのおおおおおおおおおおおお」
「ふぎゃあああああああああああ」


 我々の他に二人、合計四人の乗客が絶叫しました。速度的には大したことがないはずなのに、凄い重力を感じます。ちょっと中休みがあって、また加速。
 あ、あれ?これ、なんかすごく楽しいぞ?
 ついでにバイキングのアレ、なんて言うかあのでっかい船がぶんぶん振れるやつにも乗ってみます。


「ふおおおおおおおおおおぉ」
「ひゃああああああああああ」


 またしても絶叫でした。セオリー通りいちばんはじっこに乗ったので、実に効果的に垂直落下が楽しめます。いや間違いない、これ、面白いですわ。


 時間の都合もあって三つ四つしか遊具は楽しめなかったのですが、どれもすごく面白いんですよ。率直に言ってなにか目新しいマシンがあるわけでもないんです、だけど、コースターは面白いしバイキングはおっかないし観覧車はやけに眺めがいい。四半世紀ぶりの経験とは言え、遊園地って面白いんだなあと今さらのように認識しました。
 なんか、こういうシンプルな楽しみかたって久しくしていなかったなあとつくづく思い知らされもしました。


 マー別に浦安の例のアソコをくさすつもりはないんですが、それにしても、猫も杓子も浦安の以下略に詣でなくてもいいんじゃないかなと改めて思いました。休日に家族なり彼氏彼女なり友人なりと連れだって、地元の遊園地に行って、こういうシンプルで基本的で率直な楽しみを味わうのって、あんがい幸福の基本形なんじゃないかと少々大それたことまで感じましたね。
 浦安の以下略は、遊園地の体験としては少々特殊なものだと思うんですよ。遠路はるばる出かけていって、さんざん行列に並んだりパレードに手を振ったりすることまで含めて、一種の一大イベントと考えた方がいい。旅行に近いですかね、ここまで来ると。それはもちろん悪くないんですが、気軽な楽しみとしては少々大きすぎる。
 それに、あれは大人は楽しめるだろうけれど、子供、特に学校上がる前ぐらいまでのお子さまにとってはどこまで率直に楽しめるものなのか、ちょっと考え込むことはあります。あんがい、日曜日に地元の遊園地に行ってゴーカートなりコースターなりに乗って、帰りにちょっとファミレスでメシでも食って帰る方が、楽しみの総量としては大きいかも知れない。なんつっても日常の延長ですから。毎度毎度高級寿司店に行く必要はまるでなくて、回転寿司だって大いに楽しめるのと同じことです。ツナロールとかシーフードマヨネーズとかおいしいじゃないですか。あれはあれで。
 突き詰めて言えば、日常のちょっと延長した先をどれぐらい楽しめるかということが各人の幸福感にかかっているのではないのかな、と、またも大それたことを考えてみたりもします。ささやかな発見と、それから面白がりかたの発見みたいなものが、こういう楽しみの上では重要なんじゃないかと思います。このことは以前、似たようなことをこことかここのエントリーでも書いたんで長々とは繰り返しませんけど、つまらなさを嘆く前に、やることはまだまだたくさんあるようです。


 まあそんなわけで、ベニーランド、たいそう楽しゅうございました。
 またぜひ再訪するつもりです。その折りにはションベン漏らす覚悟で、非人道的なコースターにもチャレンジしてみる所存です。






 付記。そんなわけで非常に日の悪い訪問とはなりましたが、ベニーランドの園内の手入れが行き届いていることには本当に感服しました。少々古びているものの園内はとてもきれいですし、芝生や植木にもきちんと手が入っています。こういうところに、スタッフの方々の心遣いを垣間見たように思います。
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2007年、「mit Tuba」で
第23回太宰治賞受賞。
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