セガワブログ

小説家、瀬川深のブログ。

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 集英社のWEB文芸サイト、「レンザブロー」に短篇小説を書かせて頂きました。要するに、web上に公開された文芸誌という体裁のサイトですね。
「エレクトリチカ」というタイトルです。アドレスはこちら。無料で読めますので、どうぞご覧下さいませ。
 このレンザブロー、ページのめくりかたにいろいろ趣向が凝らされてまして、普通にスクロールするスタイルもあれば、本作のように2ページ見開きでめくってゆくスタイルもあります。縦書きも横書きもあります。失礼ながら、想像していたよりもずっと見やすくて、web上で文章を読むことへの偏見がかなり是正された感じです。こういう版組の自在さは、webならではでしょうね。考えてみれば、必ずカラーで挿画が付けられるというのも贅沢な話です。
 その挿画は小池アミイゴさんにお願いしました。自分で言うのもなんですが、これ、タイトルページが素晴らしいんですよ。この一面のヒマワリ畑の絵を見たときに、ガツンとやられました。あーウンウン、こんな感じ、と、書いた本人ですら見たことのないヒマワリ畑が頭の中に浮かんだような気分でしたね。冒頭に描いてくださった、エレクトリチカも重厚でイイ感じです。小池さん、ありがとうございました。



 旧ソ連マニア(ってどんだけ日本国内にいるんだろう)の方ならばお分かりかと思いますが、エレクトリチカというのは旧ソ連域内を走っている都市近郊列車のことです。セガワはラトビアとかアゼルバイジャンとかで乗ったことがあるのですが、日本のアルミボディの電車が吹けば飛ぶように見えてしまう無駄に重厚な作りが実に旧ソ連ライクで素敵です。
 そのエレクトリチカを話のマクラに、旧ソ連とかウクライナとか横浜関内伊勢佐木町とかヒマワリ畑とか謎の少女とか川ウナギの缶詰とか日本製のコンドームとか、まあそんなものが詰め込まれたお話です。旅行好きの方ならばとりわけお楽しみいただけるのではないでしょうか。
 中に二箇所ほど、「いや、これは絶対にないだろう」という部分が旧ソ連マニアの方ならば指摘できるかと思いますが、そのへんはご容赦を。


 実は、以前こちらのエントリーで携帯小説に絡めて短篇小説の可能性に言及したことがあるのですが、今回はこれに近い形で発表ができてとても嬉しかったですよ。今回の小説がおよそ原稿用紙で35枚ですから、ちょっと紙の媒体に載せるには尺が短い印象があるんですが、webでさくさく読んでゆくには丁度いい長さじゃないかなと思います。
 それに、これはちょっと内輪の話になりますが、50枚未満の小説っていうのは話の作り方がちょっと変わってくるんですよ。セガワの印象だと、50枚を超えるか、150枚を超えるかで話の作り方、つまりは材料とか筋立てとか語り口とかがまるで変わってくる感があります。50枚未満の小説ですと常に全体を一視野に収めながらバランスを取っていく感じですね。材料は一つか二つ、ダシは一種類、片手鍋一つで作れるお料理という印象で、個人的にはとても好きなスタイルです。もっともこういうお料理はあんまり器用に作りすぎない方がいいようにも思うので、その点はいましめておきたいところですが。


 ともあれ、こちらでご紹介した作品をすぐに読んでいただける点、なによりもwebの強みではないかと思います。ご一読下されば幸いです。

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Author:segawashin
2007年、「mit Tuba」で
第23回太宰治賞受賞。
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