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セガワブログ

小説家、瀬川深のブログ。

 つい先ごろ発売になったハヤカワミステリマガジン6月号の、「私の本棚」という連載に取り上げて頂きました。作家さんの本棚や愛読書を紹介するという体裁の記事ですね。
 ということは編集さんが自宅に来る!というわけで慌てふためいて激しく汚い部屋をいろいろ片付けたりフテキセツな書籍を隠蔽したりしたのちに、かっこよく取り繕った本棚の前で写真を撮って頂きました。


 しかし少々恐縮したのが、セガワにはまるでミステリの素養がないところです。
 むぅ、クリスティやクイーンみたいな大御所を大昔に読んだきりだしなあ……と思いつつ
「あっ最近読んだミシェル・リオ『踏みはずし』がまあなんとかミステリの枠内だと思います!」
とかピントのぼけたことを言ってみたりしましたが、結局はミステリのカテゴリーにこだわらず、幅広くセガワの好きな本をご紹介して頂きましたよ。
「ここはやはりインテリくさいところを前面に押し出さねばなるまい!」
 と小賢しいことを考えて文学作品を並べ立ててはみたのですが、最終的にクローズアップされたのはバックパッカー向けのコアな旅行雑誌「旅行人」、関川夏央・谷口ジローコンビの傑作「事件屋稼業」、そしてなぜか持っている「写真集ベトナム 独立への歩み」という実にイカした三冊でした。さすがよく分かってらっしゃいます。
 まあそのへんを含めたセガワの読書遍歴は実際に本文をご覧ください。とても素敵な記事にまとめてくださったと思います。ありがとうございました。


 そういうご縁で初めて拝読したミステリマガジンですが、失礼ながら、予想以上に面白かったです。ウワァ矢作俊彦さんが小説書いてるやとか、佐藤亜紀さんがオペラのエッセイ書いてるやとか、高橋葉介さんが漫画描いてるやとか、セガワとしても見どころ満載でした。
 それにしても、海外にはミステリ仕立てにした小説というのが結構多いですね。それこそボルヘスやエーコからエシュノーズあたりまで、ミステリの体裁を借りていろいろ試みている小説が多いようです。こういうジャンルの垣根の低さが日本にもあるといいんだがなあ、とちょっと思ってみたりもしました。


 そういえばセガワはほとんどミステリは読まないんですが、デビューする前に探偵ものを三部作で書いています。長編を書く練習のつもりで作製した話なんですが、まあまあ面白かったんじゃないかなあと自画自賛で思っています。推理の要素はほとんど皆無なんですけど。
 今となってはどこにも出せない作品ですが、ミステリを読んだ量よりも書いた量の方が多いというのは、わりと珍しい現象かも知れません。


 そんなわけでハヤカワミステリマガジン6月号、絶賛発売中です。よろしくお願いいたします。


ミステリマガジン 2009年 06月号 [雑誌]ミステリマガジン 2009年 06月号 [雑誌]
(2009/04/25)
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 ついでにこちらもご紹介。文章がスタイリッシュで、ちょいと晦渋で、実に面白かったですよ。

踏みはずし (白水uブックス―海外小説の誘惑)踏みはずし (白水uブックス―海外小説の誘惑)
(2001/07)
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Author:segawashin
2007年、「mit Tuba」で
第23回太宰治賞受賞。
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